「腸活」とは

私たちのお腹の中の「腸」には全体で100兆個以上といわれる細菌がすんでいます。それを「腸内細菌」と呼び、善玉菌、悪玉菌、日和見菌という3種類に分類され、近年になり医学や健康分野において注目をされるようになりました。まもなく日本の人口の4分の1に当たる3000万人が75歳以上という後期高齢者になります。平均寿命や健康寿命を延ばし、健康で元気でいるための非常に重要なキーワードとなるのが「腸内細菌」です。腸内細菌は、単に腸の中にすんでいるだけでなく、臓器をはじめ、私たちの健康、さらに言えば寿命までも握っています。一方で、私たちは、この腸内細菌をいちばんコントロールできる存在でもあるのです。食生活の中で、どのような成分を腸に送り込むかという知恵比べで、腸内細菌との勝負に勝てば腸内細菌は私たちの味方となり、病気の発生を防ぎ、健康寿命を延ばすことができるかもしれません。

とくに大腸の壁には約40兆個もの腸内細菌がいると言われており、これらがお花畑のようにひしめき合っている様子を「腸内フローラ」と呼び、腸内環境ともいいます。多数の腸内細菌がすむ腸内フローラのなかでは、様々な細菌が共生しており、それぞれが複雑にバランスを取りながら、ヒトの健康をサポートしています。「腸活」とは腸内環境を整える活動のことで、具体的には腸に良い食事を心がけたり、日々の生活に運動を取り入れたりすることを指します。食事内容や身体の状態によってそれぞれの腸内細菌の数が変動し、腸内環境に影響を与えるのです。

腸内フローラ

悪玉菌が多い場合(便秘)は掃除をする

サプリメントの中に食物繊維の不溶性2割、水溶性8割の絶妙な配合のもがあり、それが悪玉菌をとともに腸内を浄化して、ビフィズス菌などの善玉菌が増えやすい環境をつくります。また、便秘症状の程度により、腸の蠕動運動を高めるために漢方薬のセンナ実を併用したりします。但し、センナといってもセンナ葉やセンナシドの下剤は使用不可です。

生菌ビフィズス菌(プロバイオティクス)を摂る

ビフィズス菌サプリメントは1粒または1カプセル当りに50~60億個含有の製品がほとんどですが、中には1カプセル中に、森永乳業のビフィズス菌「BB536株(ビフィドバクテリウム・ロンガム)」を240億個の生菌(生きた菌)で含有し、腸に着くまで胃液に影響されないよう耐酸性加工されているものがあります。生菌はプロバイオティクスと呼び、悪玉菌を退治して常在菌を刺激し、ビフィズス菌を増えやすくさせます。

ビフィズス菌のエサ(発酵オリゴ糖)を入れる

植物発酵エキスの発酵主成分となる発酵オリゴ糖を摂取することで、常在ビフィズス菌が増え、はたらきが活発化します。オリゴ糖を食べたビフィズス菌は短鎖脂肪酸(酢酸・酪酸)を生成して、大腸内を酸性の環境に変化させ、悪玉菌を退治して、腸内細菌のバランスを整えてくれます。さらに酸により腸壁が刺激され、腸の蠕動運動が活発になります。植物エキス発酵飲料によるビフィズス菌の増加率は、ヨーグルトを摂取するより優れていることが発表されております。腸内浄化やプロバイオティクスを摂ることで腸内環境が改善されない場合は、一般的に“酵素飲料”という植物発酵エキス飲料が常在ビフィズス菌のエサとなり、ダイレクトにビフィズス菌を増やしてくれます。

下剤(便秘薬)で便秘症は治りません

下剤(便秘薬)は体にとって“毒”であり、連用すると中毒になります。中毒になると体が薬に慣れてしまい、量を増やさないと効かなくなってしまいます。また、下剤(便秘薬)を連用することにより腸内フローラが悪化してしまい、なおさら便秘は治らなってしまいます。さらには他の様々な病気も発症しやすくなってしまうため、早急な休止をお勧めいたします。

pixta_48419224_M-960x639

下剤の仕組み

1:下剤(便秘薬)が投与されると、腸が下剤を不快毒物と認識し、できるだけ早く体外へ排泄しようとします。その反応を利用して詰まっていた便が押し出されるのです。下剤(便秘薬)の作用機序は「腸が異物拒否をする生体防御作用」を利用しているのです。

2:下剤(便秘薬)は連用すると、不快毒物としてリンパ管や血管内にも吸い上げられて、体内のいたるところに回ってしまい、いわゆる「中毒状態」になります。これにより中毒的な濫用(薬物依存)が始まり、下剤(便秘薬)がクセになり手放せなくなるのです。

3:下剤(便秘薬)の作用で腸の筋肉が無理な蠕動に働かされて筋肉の疲労を起こします。
いずれは筋肉疲労の蓄積により腸の筋力が低下して自力では働かなくなります。

4:下剤(便秘薬)の濫用(依存)は腸の自然排泄能力を失わせることになります。