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月別アーカイブ: 2016年3月

第26回 花粉症とアレルギー

今回は最もタイムリーに花粉症とアレルギーについて取り上げてみました。

意外と知らない花粉症の知識! 花粉症の症状には主にくしゃみ・鼻みず・鼻づまりがあります。その中でも見逃されがちなのが鼻づまりです。花粉症患者さんの約9割の方に鼻づまりの症状があるといわれています。花粉症は、スギなどの花粉(抗原)が原因となって起こるアレルギー疾患の一つです。特にスギ花粉症は冬の終わりから春にかけて、毎年、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどの症状で多くの人を悩ませています。日本では、スギのほかにもヒノキ、イネ、ブタクサ、ヨモギなど約50種類の植物が原因で花粉症を引き起こすとされています。花粉症の症状は大きく分けて3つのタイプがあります。花粉症は症状の特徴によって、くしゃみ・鼻みずだけがある「くしゃみ・鼻漏型」、鼻づまりがある「鼻閉型」、全ての症状が同じくらいある「充全型」に分けられます。ご自身の症状タイプを確認し、症状にあった治療を早めに医師または薬剤師に相談しましょう。花粉症はアレルギー疾患に含まれますが、本来アレルギーとは、あるものに対して過敏に反応する状態で、白血球の免疫反応が関係することをいいます。免疫とは、体を守るための防御システムで、体内に入ってきた異物(細菌やウイルス)に対して抗体を作って対抗しようとします。アレルギーは、食物やダニ、花粉など、本来は病原性のないものに対して白血球のリンパ球が特別な抗体(武器)IgEをつくって、過剰な反応を起こしてしまう現象です。アレルギーの原因になる物質をアレルゲンといい、それに対してできた抗体をIgE(免疫グロブリンE)といいます。このIgEを作りやすい体質がアレルギー体質で、遺伝的に決まっています。………DSC_0742

第25回 免疫と白血球

今回は報告が大分遅くなりました。2月17日(水)に開催されました内容です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA免疫ということばは聞き慣れていますが、日頃の生活で疲労が回復することや病気や傷などが治癒していくのは免疫が働くためです。ストレスに強い体をつくるのも免疫力で、肩こりや腰痛などの体の不調の予防や改善も、実は免疫力の働きなのです。老化や病気の予防も免疫の働きです。免疫力で新陳代謝を活発にします。機能の低下や細胞組織の老化による病気の予防にも免疫力が働きます。免疫力には、がん細胞、ウイルス、病原菌など、本来の自分の細胞と違うものを区別する働きがあります。花粉を食物と判断すべきなのに異物と誤認するのが花粉症です。その認識をする担当は「白血球」なのです。インフルエンザなどのウイルスや病原菌からの感染を防ぐのは「免疫細胞」といわれる白血球です。B細胞の白血球はウイルスに対抗できる武器に相当する「抗体」をつくります。幼少時代のはしかやおたふくかぜに再びかからないのは、白血球のB細胞(Bリンパ球)が一度侵入した外敵(ウイルス)を記憶していて、必ず勝てる武器の「抗体」がつくられるからです。これを「免疫記憶システム」といいます。………